セーラー万年筆「プロフェッショナルギア インペリアルブラック」が格好良くてつい買っちゃった


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止まらない物欲

この前ペリカンのスーベレーンM400を購入したばかりだというのに、常用しているロディアNo.16のメモカバーを我慢しきれずに購入してしまった(→別エントリー)ことを皮切りに、そのメモカバーのペンホルダーにセットする万年筆がほしくなってしまった。

第一候補は、ペリカンのスーベレーンM300。小型でインク吸入式のスーベレーン。M400が良いだけに間違いない買い物っぽいが、いかんせんM400を購入したばかりだし、ちょっと高いし、緑縞しか無いしということで二の足を踏んでいたら、M300ベースのカスタマイズモデルM320シリーズを見つけるも、気に入ったオレンジはどこにも在庫が無く、しかも高かった。

そんなこんなでいろいろと万年筆をあれやこれやと探していた。
最終的に、ラミーの2000に落ち着くかに見えたが、たまたま、セーラー万年筆の「プロフェッショナルギア インペリアルブラック」なるものを見つけてしまい、それがまた好みにドンピシャだった。

軸が太く、メモカバーには間違いなく収まらない。でももう関係ない欲しいっ!

…ということで購入してしまいました。

インペリアルちゃんが到着! しかし…

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そんなわけで、Amazonプライムで次の日の正午前に届いたインペリアルちゃんでありました。
マットなブラック、ペン先も黒い、質感も良い。持ってみた際のバランスも膨らみというか、その太さが良い。
うわー、すげー、これはサイコー!とテンションが一人でマックスでありました。
いろいろインクも物色したのですが、ジェントルインクの四季彩シリーズの「海松藍」が良かったのですが、在庫が無くあきらめて、普通にジェントルインクのブラックを入れて、勉強に使い始めた…ところまでは良かったのです。

実際、書いてみると、とにかくインクのフローが悪く、字が掠れてます。それを解消しようと力を入れてしまうのでペン先にも負荷をかけて良くないし、万年筆なのに疲れるし…と、がっかりな結果になりました。
ペンの重みだけで書けるということが全くなく、いろいろと試行錯誤した結果、腕が疲れてしまいました。

たしかに細字を買いましたが、これが極細と言ってもいいくらいの線しか書けず、力をいれてもパイロットの細字にも満たないくらいの線でした。これはこれで楽しめる…わけ無いですよね。

とにかくインクのフローが悪いんですよね。それさえ何とかなれば良い気がするのですが。。。

自己調整を試みる

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すぐさまペンクリニックの日程を確認したら、ちょうどその時東京で開催中で、その後はしばらく東京に戻ってこなそうでした。
有料の調整サービスも検討しましたが、郵送で送るというもので不安すぎるし、安くも無いしで試す気にもなれませんでした。

いろいろ調べて、結局自己調整しか無いかという結論に達しました。

といってもグラインダーを使った本格的なものではもちろんなく、個人で簡単にできる範囲のものです。メーカーサポートも受けられなくなるようなので、私のように無謀ではない賢明な皆さんは、ちゃんとメーカーのサポートでペン先調整を受けていただくのが一番かと思います。(そういう点で定期的に全国を回って調整してくれるセーラーは良いですね。)

ここではいろいろと調べた内容をポイント毎に記しておこうと思います。

フローをよくするには

インクフロー、すなわちインクの流入量をよくするには、ペン先のスリットを広くする、空気穴を大きくする、サラサラ目のインクに替えるなどの方法があります。
いずれも万年筆の構造と毛細管現象を考えれば、思いつく至極シンプルな発想ですね。
このうち、セーラーのジェントルインクは割とインクフローの良いインクとのことなのであまり変化はないだろうと思っていましたので、それ以外の簡単にできるものといえば、ペン先のスリットを広くするしかありませんでした。

方法としては、スリットに入るようなスペーサーを入れ、少しずつ広げていく、もしくはスリットの両側を手でつかんで引っ張るという方法があります。前者はスペーサーにある程度の強度のものを用いるとペン先を傷つける恐れがあります。やろうと思えば、カッターとかでも出来るのではないかと思います。おすすめできないですが一番身近ということで。

書き味をよくするには

グラインダーなどで研磨するというのは、おそらくかなりの練達を必要とするものかと思います。ペン先は削ってしまえば(通常)復旧出来ないので、ペン先交換をするしかなくなります。どのメーカーでも1万円~数万円するようですので、慎重な作業が必要ですし、そこまで簡単なものでも無いようです。

10倍から20倍のルーペ(国産が精密で良いとのこと)を通してみると、ペン先の形がハッキリと見えますが、ではそのペン先がどうなれば書き味が良いといえるのかについては、かなりの経験が無いとわからないのではないかと思います。ペン先の形状だけでなく、インクのフローにもよりますし、ペンの形状や重さ、バランスに加えて、使う人個人個人の書き癖というものがあり、削り方は無限大なのに、答えは一つというかなり難しい問題になります。プロのペンドクターでも、「一つある答えをどんぴしゃで出す」というわけではなく、「数多ある間違いを避けて唯一つの正解に近付けていくことに長けている」という方が正しい表現なのではないかと思っています。

このレベルに素人の私が一朝一夕で達するわけがなく、そのような調整はどうやっても出来ません。しかし「自分にとって最高の書き味を知っている唯一の人は自分」であるという利点がありますので、そこから私ができる唯一の調整法は、よく自己調整でも使われる、やすり紙に実際に書くようにして研磨するという方法です。

まさに自分が書きやすいように研磨できる方法であり、フルハルターの森山氏も最後にはこの方法で最終調整をしてもらうそうです。

セーラー万年筆の製品ですから、そこまでの誤りは無いと思いますので、ちょっとの調整で全然良いだろうと思っていたので、この方法を試す方針にしました。かなり慎重目で。

いざ自己調整へ

そんなこんなで、ルーペとやすりを注文し、次の日の昼にはダイソーでテスト用の万年筆を購入しました。
それを使って夜、作業に取りかかりました。

まずルーペを見てみると、手持ちの万年筆でインクフローが良いものは、やはりスリットの幅が広い(と言ってもわずかですが)ということがわかりました。手持ちのセーラー万年筆は、インペリアルちゃんを含め2本ですが、両方ともスリットの隙間が見えないくらいに幅はありません。しかし、もう一本のセーラー万年筆プロフィット21長刀研ぎは、長年使っているせいもあってか、ヌルヌルでインクフローは適度、その点からスリットを広げるにしても、ほんのちょっとで全然違うのではないかと推認できました。

まずは100円万年筆で試してみる

100円万年筆はプラチナ製でした。もちろんペン先は鉄かと思いますが、実際には書き味が結構良くてびっくりしました。この書き味にインペリアルちゃんが負けている感じだったので、やはりおかしいなぁと思うばかりなのです。

100円万年筆はルーペでのぞいてみるとスリットがだいぶ広く、インクフローが潤沢で気持ちよくかけます。なのでやすりを使って自己調整作業を試してみました。
やすりの上で、8の字を4回くらい書いて、違いを試してみると、それだけで全然筆記感が変わりました。書きやすくなったかと言えばそうでもなく、ある角度ではかなり良くなるが、ちょっと違うと引っかかるというチグハグな感じになりました。

…これは難しいな。と体感できた瞬間です。その後、ほんのちょっとずつ立てて削ったり、文字を書いて削ったりとしていたら、とても良い書き味になりました。ただ、これは失敗する確率もかなりあるなという感触も得ましたので、最後の手段だなとわかりました。

いよいよインペリアルちゃんで

そんなわけで、かなり怖じ気づいて、とりあえずインクフローさえ直ってくれればなんとかなるだろうと思い、ヤスリで云々する前に、まずはスリットを広げることにしました。ペン先のSIM両端を爪に引っかけて、ちょいと広げる、ちょいと広げるとやって、書き味をためしてみたところ、

!!!!!

ってくらい、びっくりするほど筆記感が良くなりました。
これがまた適度なヌルヌルで、ペンのバランスともぴったりな感じでした。「良くした」というよりも「本来こうあるべき状態に戻した」という感覚にぴったりな感じになりました。

いろいろと道具を購入したり試したりしたわけですが、結局スリットをちょちょいと広げただけで、劇的に改善しました。ペン先を削るのはやめて、これで使い続けていけば良いやという感じです。そして、これがたぶん正解なのでしょう。

実際の筆記感などについて

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そんなわけで調整して「本来こうあるべき状態に戻した」感のある「プロフェッショナルギア インペリアルブラック 細字」ですが、かっちょよくて最高です。

結構な細字で、手帳などへの細かい筆記もなんなくこなせそうです。ただこの本体サイズだと中字以上のほうが良いのかなと言う感覚もあります。私は細字万年筆好きなのでこれで良いのですが、大きめの万年筆は太めのニブを購入したいなという風にも思いました。

通常の軸色との比較

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がっしりした見かけの万年筆には太字が似合うか

インクフローは絶妙で、細字ながらひっかかりなく、若干ペン先は固いですが、なめらかに掠れなく筆記できます。ここらへんの絶妙感がセーラー万年筆だなと感じさせてくれます。願わくば、購入直後からこうあってほしいものですが、いろいろ試行錯誤を経て、愛着がさらに沸きましたし、万年筆への興味もさらに強まりました。

画像ギャラリー

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