無音高速AFはPENTAXでも出来た!「HD PENTAX-DA 55-300mmF4.5-6.3ED PLM WR RE」レビュー
実写ドラマ化もした漫画「カメラ、はじめてもいいですか?」でも話題の PENTAX の新世代望遠レンズ「HD PENTAX-DA 55-300mmF4.5-6.3ED PLM WR RE」を購入しました!
PENTAXのAFは遅い?
PENTAXが、他メーカーに対して後塵を拝した大きな原因の一つに、オートフォーカス(AF)の体験があると思っています。
他社のカメラ・レンズが、レンズ内モーターを積極採用してAF時の静粛性、高速性を大きく高めていった中で、PENTAXは、音が大きくAFが遅いという評判でした。ボディ内モーターレンズであることが一つの原因でしたが、PENTAXは、キットレンズが、かなり長い間ボディ内モーターによるAFのレンズだったことが良くなかったと思っています。(未だに一部セットは、ボディ内モーターレンズ添付だったりします。)
DCモーター搭載のレンズであれば、静かではあるものの、しかし、他社と比べるとまだピントが合うまでの速度が遅いというのは解消しませんでした〔ちなみに、SDM(超音波モーター)は、静かではあるもののそこまで高速というイメージはありません。DCよりは速いが他社よりは遅いイメージです。)。風景や人物、ブツ撮りなどについては問題ないものの、動体となると難しいくらいの速度でした(もちろん撮る人の腕に寄る、という面もあります)。
PLM搭載レンズで他社にやっと追いついた感!
PENTAXには、他社くらいのAFは無理なのかなと思っていたのですが、今回紹介するレンズ「HD PENTAX-DA 55-300mmF4.5-6.3ED PLM WR RE」は、AF用のレンズ内モーターとして、PLMを搭載しています。PLMは、Pulse Motorと書いてあったり、Pulse-Linear-Motorと書いてあったり詳細は不明です。
ただ、このPLMによるAFは、非常に高速で、ほぼ無音です(耳を澄ませば何か部品が稼働している音はするくらい)。シャッター半押しで一瞬でピントが合い、音がしないというのは、もはや他社では当たり前な気がしますが、長年PENTAXユーザーだった自分からは信じられない思いで、テンションが上がりました。
詳しいユーザーからは当たり前かもしれませんが、「(AFが遅い原因は)レンズ内モーターやったんや!」と一人で納得しました。それでレンズ内モーターについて興味が出て、いろいろ調べてブログエントリーも作成したくらいです。
安価なのに世代を重ねる人気のレンズ
APS-C用のデジタル用DAレンズのうち、55-300mm の画角に対応したズームレンズは、PENTAXにおいては、かなり以前から安価なのに写りが良いレンズの代表でした。
画角的にも、標準ズームレンズの 16-50mm あたりのものの次に買うお得なレンズという位置づけですし、売れるのも納得のレンズではありました。
同レンズは、2008年に発売されてから、2回リニューアルされています。
- smc PENTAX-DA 55-300mm F4-5.8 ED(2008年3月下旬 発売)
- HD PENTAX-DA 55-300mm F4-5.8 ED WR(2013年11月上旬 発売)
- HD PENTAX-DA 55-300mm F4.5-6.3 ED PLM WR RE(2016年8月5日 発売)【本エントリのレンズ】
初代と第2世代は、新品でも3万円台で買えたように思えます。最新世代も、中古であれば3万円台、新品でも、2023/9月現在5万円を切る価格です。
大きさもそもそもそこまで大きくない感じでしたが、最新世代は「RE」とついているように沈洞式(REtractable)となり、利用していないときはさらに小型になっています。
一番売れているらしい
PENTAX の公式twitter(現X)アカウントのツイートによると、販売本数No.1のレンズのようです。価格、AF性能、対応画角の面で、一番コスパが良く、それも納得のレンズだと思います。
カメラ、はじめてもいいですか? でも話題
本エントリーの最初でも、また上記の PENTAX 公式twitter(現X)アカウントのツイートでも言及されていますが、「カメラ、はじめてもいいですか?」にも登場しているレンズです。
原作の漫画でも出てきますし、実写ドラマでも実物が出てきます。
原作の漫画では、「(PENTAXなのに)AFが速い。ピントが合っている。…違和感がある」と言われてしまっているのが、PENTAXファンとしては悲しくも「わかる」というシーンです。
安価で幅広い画角に対応し、写りも良い
基本的には、APS-Cセンサーでの利用になるため、画角的には、35mm判換算で、84.5-460mmという広い画角に対応します。
私自身は、画質を云々言えるほどカメラに詳しくないのですが、実際に撮影してみて、普通に綺麗に写ると思っています。解像感もよいですし、ボケも綺麗だなぁと思っています。
AFが静かで防滴のため持ち出しやすい
とにかくAFが静かで高速なため、動体でも撮りたくなってきます。ちょっと散歩して、ちょっと鳥を引き寄せて撮影するだけで、羽のモサモサ感も写せたり、昆虫もアップで撮れて「おおっ」ってなったりします。動物園とかの撮影も楽しめそうです。
初代のレンズでも同じくズームできるし、写りも綺麗だったのですが、いかんせんAFがボディ内モーター駆動で、「ういぃぃん」っていう音で動物に気づかれてしまったりして興ざめることがありました。PLMになったこのレンズは、無音で高速にAFができ、本当にストレスが無いです。ストレスが無いので、躊躇無く持ち出して行けるのが嬉しいです。
…他社は、何年も前から、これが当たり前だったような…(ボソッ
あ、いえ、何でもありません。。。
また、防滴仕様なので、雨が降っても大丈夫なレンズです。防滴仕様な K-3 Mark IIIと組み合わせて、ますます躊躇無く持ち出していけます。
まだまだ初心者なので、うまく扱えてない感がすごいあるのですが、これからも持ち出して行きたいレンズです。
PLM搭載版レンズをどんどん出してほしい
PLM搭載のレンズは、高速無音AFが可能で、PENTAXとは思えないAF体験です。2023年9月現在、PLM搭載レンズは、本レンズの他に「HD PENTAX-DA★ 16-50mm F2.8 ED PLM AW」しかありません。この2本で、16-50mm、55-300mmとかなり広い画角をカバーできるのですが、スターレンズはなかなかのお値段で購入するのにも覚悟がいりますし、おすすめもし辛いです。
標準域のズームレンズなど売れそうなレンズだけでも、是非PLM化してほしいところです。
18-55mmあたりをPLM化して、ボディとセットで、とか、18-55mm PLM と 今回紹介している 55-300mm PLMとセットでダブルズームキットとかなら、かなりおすすめしやすいように思います。
KAF4マウントレンズとなるため、古いカメラボディでは動かないという欠点があるものの、かなり古いボディでも動くので十分な互換性だと思います。(K-1 Mark II、K-3 Mark III、KP、KF、K-70、K-1、K-3 II、K-3、K-S2、K-S1、K-50 なら動くようです。ボディによりファームウェアアップデートが必要になります。この中で一番古いK-50は、2013年発売モデルですので、10年前くらいのボディなら大丈夫ということです。十分だと思います。)
作例
拙い作例ですが用意しました。台風の翌日だったので、全然鳥が居なかったのが残念でした。飛んでいる最中の写真などは、K-3 Mark III の連写で捕らえたものになります。横振れなど私の腕に起因するミスショットもたくさんありますが、それは割愛です。まだピントが甘いものもありますが、そこらへんはあえて掲載します。
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