ThinkPad T14s Gen4 AMDが届いたので、使用感などメモ

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ThinkPad T14s を正面から撮影

この前、レノボ製のノートPC「ThinkPad T14s AMD Gen4」を購入し、届いてからすでに3ヶ月ほど使用しています。

購入時のメモは、以下です。

なお、すでに新型(Gen5)が発表されており、発売されています。ですので、本記事はすでに旧モデルについての記事になっています。

ThinkPadは中古でも十分な価値を持つ堅牢なPCですので、そういう意味では、本記事も無駄にはならないと勝手に思っています。実際に使用してみてどうなのかなど、実際に感じた部分をメモしてみます。

各種パフォーマンス

ThinkPad T14s に貼付された AMD Ryzen PRO 7 シール

最近のWindows PCで、CPUを選ぶ際は、Intel製にするか、AMD製にするかは一つのポイントになるかと思います(本マシンの次の世代からは、ARMアーキテクチャの「Snapdragon X Elite/Plus」搭載かどうかも大きなポイントですが、ここでは触れません。)。ノートPC用のモバイルプロセッサに限って言えば、消費電力の面やLightning端子、ネットワークチップなどから総合的に見て、Intel製を選ぶことが多かったかなと思いますが、最近ではAMD製CPUも性能、グラフィックチップの性能、消費電力、発熱など総合的に見て、選択肢として良いと思えてきました。

半導体不足からAMD製CPUは供給そのものが微妙でしたが、最近ではそれも解消してきており、特に、「Ryzen7 7840U」は、任天堂のSwitchみたいな形のゲーミングPCでは軒並み採用されるくらいパフォーマンスが良く、発熱も抑えられているようです。

Apple Silicon との比較で言えば、M2よりも高性能という話があるようです。

Ryzen7 7840U のパフォーマンス

パフォーマンスと消費電力については、実際に使用してみる感じ、全く文句なしという感じです。CPUが問題になって遅いなと感じることはありませんし、発熱も気になりません。とても良い感じです。

私は、ゲームや動画編集などはしませんが、Dockerコンテナビルドや、IDEの起動など、ちょっと重い処理くらいだと、もはや重く感じないです。普段、M1 Macbook Airを利用していますが、M1よりは確実に早く同じ処理ができていそうという感じはしています。

CINEBENCH R23 でのベンチマーク結果は、マルチコアが、11747pt、シングルコアが、1730pt、という感じでした。(Windowsのバッテリの設定は「最適なパフォーマンス」にして計測しています。)。

the比較とかのサイトで掲載されているスコアと同じようなスコアなので、たぶんこのくらい出るのは正常な感じだと思います。

SSDのパフォーマンス

最近のPCでは、ストレージとしてSSDを採用するのは当たり前という感じですが、まだまだ速度は向上していっています。ただし、それに比例して発熱量も上がったりしていますので、そこらへんを気にしつつ、なるべく速いものを選ぶようにしています。

ThinkPadブランドにおいては、排熱もちゃんとしているというイメージがありますが、X1 Carbonや、X1 nanoなど極薄型モデルの排熱は最近怪しいなと思い始めています。この点、T14sは薄型ではあるものの極薄型というわけでもないので、大丈夫じゃないかなと勝手に思っています。

SSDは、接続インターフェースとして、SATAからPCIeになって高速化し、さらにPCIeも世代を経て速くなっています。現在だと、PCIe 4.0接続のものが、価格、発熱などの面で標準になってきているかと思いますが、PCIe4.0接続のSSDとしての水準の速度が出れば、個人的には満足です。

実際に計測して見る感じ、Crystal Disk Markの結果は、下記です。想定通りPCIe 4.0水準の速い速度で満足しています。

TrackPoint(赤ポチ)の使用感

ThinkPad T14s の TrackPoint部

TrackPoint(トラックポイント、いわゆる赤ポチ)自体については、要らないという人も居ますが、ノートPC用のポインティングデバイスとしては最も優れているものだと個人的には思っています。(そもそもThinkPadを購入する理由の中で最も大きいものがTrackPointです。)。

TrackPointが最も優れているのは、手をキーボードのホームポジションからほとんど動かさずに、カーソル操作が可能になるという点です。また、人によっては慣れが必要ですが、ちゃんと使えれば、正確かつ素早いポインティングが可能となります。

このTrackPointは、歴史を追うごとに薄型化のために世代交代しており、それらの詳細については、別のエントリでまとめています。

本モデルも含めて、最近のThinkPadは、だいたい全部が最も薄型の3mmのものになります。

これは手に当たる部分の軸の高さが3mmしかなく、また軸自体が細くなっているため、以前のTrackPointに比べて、感触がよくなく、正確なポインティングが相対的にしづらく、また、ず~っと使っていると指が痛くなります。

軸の太さが太いものと細いものがありますが、細くなってからは、赤いキャップが1種類しかなく、好みのものを選べなくなってしまいました。(軸が太い場合は、「クラシックドーム」「ソフトリム」「ソフトドーム」から選べましたが、軸が細い最近のものは「ソフトドーム」だけになります)

という感じで、昔と比べてという話をすると文句はあるのですが、普通に今のモデルでも便利で有用です。上述したTrackPointの優位性は、損なわれているものの失われてはいません。

最近、特許期間が切れたためか、HHKB Studioにおいて、TrackPointを搭載したりしていますので、他のノートPCでも搭載してくれないかなとか思ったりはしています。薄型化の関係で難しいような気もしますが。。。

キーボード(JIS)の使用感

ThinkPad T14s のキーボードおよびTrackPoint、TrackPad部

全体的な押し心地などは良い感じで問題ありません。手触りも良いです。

右側のキーが小さくなっていることが気になっていたのですが、やはりPrintScreenキーとCtrlキーの打ち間違いが起きやすくなっています。PrintScreenキーがここにあること自体が疑問で、以前から起きやすかったですが、もうずっとここなので、変える気はなさそうです。キーマップ変更などで調整すれば良いは良いです。

最近は、Macbookと普通の外付けキーボードを利用していたためか、どうも右側のキーが小さく、ストレスになります。

比べちゃうと、Macbookのキーボードの方が良いです。配列の素直さや打ち間違いの少なさは、完全に最近のMacbook Air/ProのMagic Keyboardの方が良いです。

最近だと、Let’s noteや、hpのノートPCもキーボードが良い感じになってきたとのことなので、このまま劣化し続けるのであれば、ThinkPadを選ぶ理由の一つがなくなりそうです。

US配列/英字キーボードの方が良い感じのようなので、US配列に慣れる、という手もあるのですが、今のところ踏ん切りが付いていないです。

キーボードのようなインターフェースデバイスは、結局のところ「慣れ」である程度解消はするのですが、もうThinkPadは「まともな」キーボードですら無くなってしまって、かなしい限りです。ThinkPadというブランド自体を損なう判断をしているわけで、大和研究所、レノボには、心底がっかりしました。JISではなくUSでは「まとも」なようですので、もうJISキーボードを使う人は顧客じゃ無いということでしょうか。そう考えると、もう「ThinkPad」というブランドは、おすすめできるブランドですらなくなってしまいます。悲しいかぎりです。

ThinkPad 25周年モデルのような7列キーボード+太軸のTrackPointのモデルが出ないかなぁと思っていますが、30周年がアレでしたし、通常モデルですらこれなので、もう無いのかなと思っています。

Thunderbolt4 ではなく、USB4である点について

とりあえず、現在の私のデスク構成のメインハブとなっている「Anker 563 USB-C ドッキングステーション」は全く問題無く動作しています。

とりあえずそれくらいしか試して無いのですが、そこまで伝送速度が高速で無いといけないものを利用する予定が無いので、良かったーと思っています。

Linuxでの運用について

Debian 12.5 の導入を行いましたが、イマイチ安定しませんでした。

ハードウェア認識は、non-free firmwareもONで、特に問題はありませんでした(指紋認証とかは動かなかったですが。)。

AMD Ryzenチップだからなのか分かりませんが、安定せず、再起動には失敗するし、キーボードレイアウトは何回やっても定期的にUSに戻ってしまうし、コレじゃダメだとなりました。

次に、kubuntu最新安定版を試してみたところ、セーフブート対応でインストールが可能で良い感じに動いています。指紋認証もいろいろ設定は必要でしたが利用できています。KDEは、デスクトップ環境としては、最高です。

Windows11について

Windows 10 に比べて、綺麗になった反面不便になった印象で、基本避けていました。

タスクバーが綺麗になったがなぜか中央寄りになり、カスタマイズできなくなり、タスクトレイ(Windows10でいうと、通知領域?)も綺麗になったが不便になり、コンテキストメニューも綺麗になったが不便になり、という印象です。

Windowsは、基本「見た目が相対的に良くなって、使い勝手が悪くなる」のが昔ながらの伝統芸ですね。

Windows 7, 10あたりはその伝統芸が治ってきたかな?と思ってきたところだったのですが、Windows 11で華麗に復活!という印象です。やめて欲しいです。

WSL2があるので、うまく使えば私の用途では開発環境としては用を足せるハズと思っています。

Windows 8以降、Windowsについて、ちゃんと開発環境として向きあってなかったので、良い機会なので、Windowsと向き合ってみたいなと思っています。この点は、また別エントリ予定です。

使用してみての感想まとめ

キーボードが「まとも」じゃなくなってしまいました。JISキーボードを前提とする限り、もうThinkPadは、おすすめできるブランドではなくなってしまいました。

世代をかさねるごとに、TrackPointは小さくなり、クラシックドームは無くなり、TrackPointのボタンは薄くなり、そしてキーボードの右側は縮みと悪くなってきていますので、私は対象顧客ではないのだなと思っていましたが、レノボは、「ThinkPad」というブランドを守る気はなく、利用する気しかないんだなと悲しくなりました。

次のメインノートPCとして何を購入するかについては、ThinkPad以外を検討しようと思っていますが、とりあえず、「慣れ」て使っていこうかなとは思っています。並行してMacbookも使うので、なかなか慣れるのは難しそうな気もしていますが。。。

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