FUJIFILM 「X-T4」が届いた (2)レンズ、フィルムシミュレーション
X-T4を購入して、まずは試し撮りで家の周りをぷらぷらしながら、パシャパシャと写真を撮影してきました。その際に感じたことのうち、フィルムシミュレーション・色作りやレンズについて、本エントリでまとめます。
外観や操作性のファーストインプレッションは、別エントリになりますので、そちらも是非ご覧ください。
レンズについて
富士フイルムのレンズは、写りが良くて、本数も十分、軽くて明るいレンズが多い
富士フイルムのXマウントシリーズのカメラは、APS-Cサイズセンサーを戦略的に選択していて、価格、重量、サイズの面でフルサイズに利点を持ちます。写りについては、センサーサイズが大きければ大きいほど暗所に強いなどさまざまな面で有利ですが、写りや画質自体については、レンズの質や画像処理エンジンの方が重要という考え方もあります。
その点、富士フイルムのレンズは、表現・質に加えて、色再現・色表現にも定評があります。また、レンズラインナップとしては、フルサイズと比べてボケが少ないなら、明るいレンズが多ければいいじゃ無い?とでも言うかのように、明るいレンズが多いように思います。
それでいて、APS-Cセンサーであるが故に、フルサイズのレンズよりも小型で軽量かつ安価なレンズが多く、本体と合わせて重量が軽くて済むのも利点です。
「XC16-50mm F3.5-5.6 OIS II」は、軽量で静かなAF
X-T4のキットレンズは、より上質・高級なXFシリーズのレンズですが、今回そちらは購入しませんでした。
私はお散歩カメラとして、写りでは無く、軽量さと静かなAFを求めていました。本レンズ「XC16-50mm F3.5-5.6 OIS II」は、その要望を完璧に満たしています。XCシリーズのレンズのため、絞りリングが無く、特段明るくもありませんし、プラスチックマウントですが、16-50mmという標準ズームとして十分な画角を抑えることができ、安価で軽量です。質感自体は、上記の写真を見ていただければと思いますが、あまり違和感が無くて良かったです。
散歩するのに、被写体を探しながら歩くと、あっという間に時間が過ぎて、よく歩けます。また、最近では、様々な画角、様々な視点、様々な撮影設定で写真を撮って、返ってきて、こうすればよかった、ああすればよかった、ここはこうだから美しい、ここはこうだからダメみたいな色々な観点から見て、写真を勉強しています。
完全に趣味の世界ですが、この楽しみ方ですと、あまり写りの良さは必要ないかなと思っています。写りについて、もうちょっと良くなって欲しいと感じるくらい目が肥えたら、またそのときに考えたいなと思います。
画作り「フィルムシミュレーション」について
前回のエントリにて多少言及しましたが、富士フイルムのデジタルカメラは、色が特徴的で、RAW現像の仕方をいくつも選ぶことが出来ます。RAW現像においては、あらかじめ定められた色再現方法を選ぶわけですが、その色再現方法の種類として「フィルムシミュレーション」という名称が用いられています。
PENTAXでいうと「カスタムイメージ」ですが、ようするに写真の色作りそのもので、これを切り替えるだけで、写真全体の雰囲気だけで無く、主題すらも変えてしまうような機能だと思っています。さまざまな種類があり、さまざまな趣旨があるので、いろいろと試せそうで楽しそうだなと思っていました。(PENTAXでも、「カスタムイメージ」は非常に豊富で、いろいろ試すと楽しい機能です。)
この「フィルムシミュレーション」は、その名の通り、フィルムの色を再現したものなのかな?と思っていたのですが、どうもそうではないようです。
開発者の話によれば、フィルムで再現しようとしていた色表現の目標をデジタルでも同じように追求しているもののようです。
とはいえ、どうもできあがった画をみると、デジタルっぽくないというかフィルム写真っぽさを感じる画になると感じます。デジタル写真は「現実をどのような色表現で再現するか」のように感じますが、フィルムシミュレーションで出てくる写真は、あの現像されたフィルム写真の「写真っぽさを再現」しているように感じるのです。
写真になった瞬間にそれは本物の色では無いという話もありますが、デジタルはちゃんと数値化できるが故に、それに抗っていかに本物の色に近づけるかという方向に技術革新をしてきたようにも感じます。一方で、フィルムシミュレーションは、「現実を再現」するのではなく、「理想の色合い」に基づいた「写真」を作りだそうとしているものに感じました。現実と見比べたときに正確かどうか、ではなく、画として良いかどうかが評価指標になっている感じがして、「なるほど」と思いました。
X-T4に搭載されているフィルムシミュレーションと色合いについて
X-T4には、バリエーション含めて、下記18種類のフィルムシミュレーションを選択することができます。
- PROVIA/スタンダード
- Velvia/ビビット
- ASTIA/ソフト
- クラシッククローム
- PRO Neg.Hi
- PRO Neg.Std
- クラシックネガ
- ETERNA/シネマ
- ETERNA ブリーチバイパス
- ACROS
- ACROS+Yeフィルター
- ACROS+Rフィルター
- ACROS+Gフィルター
- モノクロ
- モノクロ+Yeフィルター
- モノクロ+Rフィルター
- モノクロ+Gフィルター
- セピア
下記は、同じRAWファイルから、フィルムシミュレーションだけを切り替えてRAW現像したものをフィルムシミュレーション毎に並べた表になります。いずれの画像もWeb用にリサイズしてしまっていますが、色のイメージは分かるかと思います。
フィルムシミュレーション名の下には、元となったフィルムの画像を富士フイルムの昔のサイト(Internet Archive)より引っ張ってきています。
PROVIA/スタンダード | Velvia/ビビット | ASTIA/ソフト |
クラシッククローム | PRO Neg.Hi | PRO Neg.Std |
クラシックネガ | ETERNA/シネマ | ETERNA ブリーチバイパス |
ACROS | モノクロ | セピア |
実に多彩な色表現で、いろいろなフィルムシミュレーションを楽しむことが出来ます。この楽しみがまたデジタルだから可能になっているというのも面白いところです。
その他作例
その他家の周りの散歩に行った際の拙い作例です。フィルムシミュレーションは、すべて「PROVIA/スタンダード」です。
まとめ
ということで、X-T4を購入してみて、感じたことをレンズとフィルムシミュレーション周りに絞ってまとめてみました。
また違う作例を撮ったり、レンズを購入したりしたら、エントリしたいなと思っています。
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