PENTAX K-3 Mark III を購入しちゃったので、思うところをつらつらと

2023 年 9 月 20 日K-3 Mark III,PENTAX,カメラ,ガジェット,レビュー

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K-3 Mark III + HD PENTAX-DA 20-40mmF2.8-4ED Limited DC WR

我慢できずに、PENTAX の 最新 APS-C 一眼レフカメラ「K-3 Mark III」を購入してしまいました。(なお、amazonで新品でレンズセットを購入。10,000円OFFクーポンがあったのでつい…)

2021年4月23日発売のモデルですので、前述のとおり、今さら感はあるのですが、いまだ PENTAX の最新カメラボディになります。

PENTAX K-3 Mark III は、すでに各所で語られているように、これからもミラーレスではなく一眼レフカメラでいくと宣言した PENTAX STATEMENT を体現するカメラで、好評を得ているようです。

特徴としては、フルサイズセンサー搭載一眼レフと同等に広く、さらに明るくキレが良い光学ファインダー(OVF)、APS-Cセンサーながら高感度に強い新設計のイメージセンサー、画像処理エンジン、アクセラレータユニットを搭載し画質も向上、AF性能の向上、グリップ形状、各ボタン配置へのこだわり、PENTAX史上最高の連写性能などの特徴を備え、Wi-Fi/Bluetooth搭載やUSB-Cによる本体での充電が可能など、基礎設計がモダンになっていたりする、最新の一眼レフになっています。

とはいえ、そういうスペック紹介はすでに各所で語られ尽くされていますので、本エントリーでは、私がここを気に入っている、こう思ったみたいなことをポイントごとに記していきたいと思っています。

シャッターを切るのが気持ちいい

K-3 Mark III + HD PENTAX-DA 20-40mmF2.8-4ED Limited DC WR
38mm(換算58mmくらい), F4.0, 60/1s,  カスタムイメージ:(たぶん)銀残し (ただし、リサイズ+Web最適化済)
K-3 Mark III + HD PENTAX-DA 20-40mmF2.8-4ED Limited DC WR
38mm(換算58mmくらい), F4.0, 60/1s, カスタムイメージ:(たぶん)銀残し (ただし、リサイズ+Web最適化済)

PENTAX K-3 Mark III のシャッターを切ると、すぐに次を撮りたくなります。 シャッター音なのか、僅かに伝わるかのようなシャッターの振動のせいなのでしょうか。「はい、次っ」「いいよ!」「もっと!」みたいな合いの手を入れられてるかのようで、どんどん乗せられていく感じがします。

以前 PENTAX 主催の一眼レフミーティングというイベントで、シャッター音選手権というものがあって、いろいろなカメラのシャッター音を並べて聴いて、どの音がどの機種かを当てるというのと、どのシャッター音が一番良いかという投票を行っていました。その際、PENTAX K-3 Mark III のシャッター音は、投票では首位ではありませんでした。ただ、気持ちいいと感じるのは、音だけが原因ではない気がしています(シャッター音という観点だけでみても良い音とは思うのですが)。

気持ちよく感じる要因としては、シャッターフィール全体なのかと思います。シャッターを切った時の、ファインダーの一瞬のブラックアウトも短く、音と振動が一体となって、現実を切り取った感触、手応えを与えてくれる、その手応えのあとも、ファインダーは広く明るく現実を映し続けること、また、グリップがとても持ちやすくフィットすることも大きいように思います。K-3 Mark III を手に持って、ファインダーを除いて、シャッターボタンを押す、その一連の動作が総じて快適で、結果心地よいのかな、と感じています。

オンリーワンなカメラであることで気持ちがアガる

K-3 Mark III + HD PENTAX-DA 20-40mmF2.8-4ED Limited DC WR
20mm(換算30.5mm), F14, 1/125 (ただし、リサイズ+Web最適化済)
K-3 Mark III + HD PENTAX-DA 20-40mmF2.8-4ED Limited DC WR
20mm(換算30.5mm), F14, 1/125 (ただし、リサイズ+Web最適化済)

以前、K-70 を使っていたときは、まだどのメーカーも一眼レフを作っていて、PENTAXも凌ぎを削っていました。同じ線の上で競っていたPENTAXのカメラが他メーカーに比べて、いろいろな面で劣ることを気にしないようにはしていたものの、人の目が気になる愚かな小物の私は、なぜPENTAX?という目を気にせずにはいられませんでした。

しかし、主戦場がフルサイズミラーレスカメラになったカメラ市場において、一眼レフカメラという、他とは「違う」線上にあるカメラを作ると方向を定めたということは、PENTAXは、ナンバーワンを目指すのではなく、オンリーワンを目指すようになったということです。つまり、世界に一つだけの花、ならぬ、世界に一つだけのカメラメーカーというわけです。…「PENTAXは、”元々特別なオンリーワン”だっただろ」とSMAP好きのPENTAXファンからツッコミが入る気もしてきましたが、その意味合いとして、マーケットフィットさせようとしてできなかった、なのか、マーケットフィットしないことにあえて価値を見出すのかは、全く違うなという思いを抱いています。

今、K-3 Mark III、そして一眼レフを選択することは、間違いなく自分の選択です。「これで十分だから」とか「コスパがいいから」とか、何がしか言い訳のような理由を並べる必要はなく、「これが良いと思ったから」「これが欲しかったから」「これが楽しそうだから」と素直に思えるカメラなのです。

フルサイズミラーレスは、確かに簡単に綺麗に写真が撮れます、AFは爆速だし、EVFは便利です。一応短い間とはいえ使っていたのでとてもよくわかります。しかし、なんというか、少なくとも私にとっては、持ち出してどんどん写真を撮りたい、とはなりませんでした。なんかすごいカメラを手に入れたぞ!の時点が最高潮で、あまり写欲が湧かなかったのです。

K-3 Mark IIIの値段で普通に中古のフルサイズミラーレスを購入することも出来ましたが、そういうことを思い返して辞めました。持っていて気持ちがアガリそう、色々試行錯誤が楽しそう、カスタムイメージが多くてカメラ内Raw現像で色々試すの楽しそう、レンズが安価で色々あって楽しそう、みたいに、「楽しそう」かどうかで、K-3 Mark III を選びました。

そういった経緯で購入したこともあって、迷いなく K-3 Mark III が良いんだと思えること、歳をとったせいか、自分が好きと思えるかどうかを大事にできるようになったことが、K-3 Mark IIIを持っていて、撮影していて、気持ちがアガる要因になっているかもしれません。

ちゃんと最新機種である

K-3 Mark III + HD PENTAX-DA 20-40mmF2.8-4ED Limited DC WR
20mm(換算30.5mm), F20, 1/320 (ただし、リサイズ+Web最適化済)
K-3 Mark III + HD PENTAX-DA 20-40mmF2.8-4ED Limited DC WR
20mm(換算30.5mm), F20, 1/320 (ただし、リサイズ+Web最適化済)

USB-C接続で本体充電が出来るので、いちいち電池を取り出してチャージャーに取り付けて充電する必要はありません。私の家には、割と至る所で(ソファ横、ベット横、デスク横など)、USB-Cの給電ができるようになっているので、それを差すだけになっています。地味に便利です。

また、Wi-Fi/Bluetooth接続も当たり前に出来ます。コンパニオンアプリがiOS/Android用にあります。レビュー評価が低いのが気になりますが、私は写真の転送はケーブル接続で一気に行いますし、位置情報付与ができれば満足です。iOS版でバックグラウンド位置情報をONにしておいて、ペアリングを済ませておけば、一緒にiPhoneを持ち歩いているだけで、勝手に位置情報が付く感じになりました。O-GPS2を買おうかなぁと思っていたのですが、その点では不要そうで嬉しいです。

その他カメラボディのあらゆる操作に対するレスポンスが早く、SDカードも、UHS-II対応になり、速度に不満は全くありません。

当たり前といえば、当たり前なのですが、ちゃんと最新機種してます。

一眼レフ、楽しい

K-3 Mark III + HD PENTAX-DA 20-40mmF2.8-4ED Limited DC WR
20mm(換算30.5mm), F4, 1/160, カスタムイメージ: モノトーン (ただし、リサイズ+Web最適化済)
K-3 Mark III + HD PENTAX-DA 20-40mmF2.8-4ED Limited DC WR
20mm(換算30.5mm), F4, 1/160, カスタムイメージ: モノトーン (ただし、リサイズ+Web最適化済)

最近、カメラというか写真というかを暇を見つけていろいろ勉強したりしています。カメラの操作、露出、F値と被写界深度、構図、広角レンズの特徴とどう使うか、ズームレンズの特徴とどう使うか、被写体にどう向き合うかみたいなことです。

私は、長年つかってきたものの、基本AUTOでパシャパシャ撮るだけで満足していたので、モードダイヤルもあまり回したことがないくらいでした。最近は、AUTOは使わない縛りで、F値を変えるとどうなるか、もう一つ持っているカメラである PEN E-P7(マイクロフォーサーズなセンサーサイズカメラ)と比較してみて、被写界深度にボケ量にどのくらい差があるのか、など、いろいろ試行錯誤して、「なるほどなー」とか「え?どういうこと?」とか言いながら、いろいろと理解できてくるのが面白いところです。

ミラーレスである PEN E-P7 だと、F値を変えれば液晶に結果が反映され、太陽の光芒がどのくらいでるのかとか、部分ごとに白飛び・黒つぶれしていないかなどが見えるため、ほとんど失敗しません。が、一眼レフは、プレビューを見ないと分からなかったり、拡大しないと分からなかったりするので、試行錯誤をいろいろなパターンで試すことになり、その場で確認したり、家に帰ってきてから等倍で見て、「あー、ここは違ったか−」とか、「ここはもうちょっと絞った方が良かったか−」とか言いながら理解を深めていっています。少しずつ、思い通りに出来ることが増えていくプロセスを楽しみたいなと思っています。被写体により、場面により、時間帯により、場所により、自分のとりたい画角により、試行錯誤の内容が異なるため、どんな場面でも思い通りに撮れるようになるのは、一体いつになるのやら、という感じですが、いつかそうなれれば良いなと思っています。

カメラ内RAW現像が楽しい

K-3 Mark III + HD PENTAX-DA 20-40mmF2.8-4ED Limited DC WR
40mm(換算61.5mm), F7.1, 1/500 (ただし、リサイズ+Web最適化済)
K-3 Mark III + HD PENTAX-DA 20-40mmF2.8-4ED Limited DC WR
40mm(換算61.5mm), F7.1, 1/500 (ただし、リサイズ+Web最適化済)

K-3 Mark III は、SDカードが2スロットあり、片方にRAW、片方にJPEGという保存が可能です(その他、1枚目に記録し一杯になったら2枚目に記録というパターンと、1枚目と2枚目に同じものを同時に保存するパターンも選べます)。RAWで記録するとイメージセンサーが捉えた光の量が保存されるため、そこからいろいろな設定を変更してJPEGを生成することが可能になります。K-3 Mark III では、カメラ内RAW現像という機能がそれにあたります。

PENTAXには、多くのカスタムイメージがあり、つい先日も最新のファームウェアで、「Gold」というカスタムイメージが追加されました。他にも、「銀残し」や「リバーサルフィルム」「モノトーン」などに加え、最近では「里び」というカスタムイメージも良いという声を聞いたりします。

今までは、処理速度・書き込み速度、また保存ストレージ容量などを気にして、JPEGだけで保存していたのですが、そうすると、カスタムイメージは撮影時に設定してから撮影することになります。「この場面にはこのカスタムイメージが良さそう」みたいな経験値が全くなく、またいちいち選ぶのもめんどくさいので、微妙な機能だなと思っていたのですが、RAWで保存すればよいだけでした。さすがに K-3 Mark III の処理能力のUHS-IIの書き込み速度なら、RAW保存は余裕ですし、手元のストレージ容量はいくらでも増やせますし、容量無制限のAmazon PhotoがあるのでRAW保存で行こうと思いました。とはいえ、普通のJPEG撮って出しも見たかったりするので、2スロットでRAWとJPEGを保存できるというのが、私にとってはベストでした。(SDカードは、下記2種を買いました。)

撮影して家に帰ってきてから、K-3 Mark III を HDMI経由で液晶ディスプレイにつないで、一つ一つカメラ内RAW現像で、いろいろなカスタムイメージを試してみたりしています。これがすごい楽しいです。この写真は「銀残し」だと全然イメージ違うな…とか、この写真は「リバーサルフィルム」だと緑が映えるな…とか、「モノトーン」だと主題が明確になるな…とか、カスタムイメージ自体の特徴というか、どう合うかみたいなものがこれでようやく試行錯誤できるようになりました。その他いろいろな点を設定ができるので、Adobe Lightroomなどを使うのも、いつか挑戦してみたいですが、今のところ興味がなく、カメラ内RAW現像を楽しんでいければと思っています。

AFは確かに良くなった

K-3 Mark III + HD PENTAX-DA 20-40mmF2.8-4ED Limited DC WR
30mm(換算46mm), F3.5, 1/400, カスタムイメージ: (たぶん)里び (ただし、リサイズ+Web最適化済)

オートフォーカス(AF)は、確かに良くなったように思います。測距点が増えるのは正義ですね。

ただし、レンズによるという部分が大きいです。レンズ内モーターとして、DCモーターであれば、それなりに、SDM(超音波モーター)であれば、まぁ速く、PLM(パルスリニアモーター)なら爆速で他メーカーに追いついた感がでます。

私も気になって、PLM搭載のレンズ「HD PENTAX-DA 55-300mmF4.5-6.3ED PLM WR RE」を購入して試したのですが、K-3 Mark IIIと組み合わせると、爆速でPENTAXもここまで来たか感がありました。

とはいえ、K-70に同じレンズを搭載してAFを試してみる感じ、風景や物撮りでは差をあまり感じませんでした(なお、K-70のライブビューによる象面位相差AF+コントラストAFなら速いかと思ったのですが、全然遅かったです)。ただし、動体の補足については、あきらかに K-3 Mark III の方が優れています。動体以外でもやはり全体的にやや速く、やや迷わなくなったなという感触です。

かっこいい

K-3 Mark III + HD PENTAX-DA 20-40mmF2.8-4ED Limited DC WR 上から
K-3 Mark III + HD PENTAX-DA 20-40mmF2.8-4ED Limited DC WR 上から

伝統的一眼レフスタイルで格好良いです。とくにキットレンズにもなっている「HD PENTAX-DA 20-40mmF2.8-4ED Limited DC WR」をセットした絵がキマっています。

カメラは見た目だ」と赤城耕一先生もおっしゃってるので、これで良いと思います。大事なのは私が満足できるかどうかですし、持って歩いて写真を撮りたいかが重要です。

不満点について

正直、かなり気に入ってしまっていて、あまり不満は無いです。でも、気に入ってるからこそ、「ここがこうだったら良いのになぁ」と思うのは致し方ないところ。

固定液晶

バリアングル、もしくはチルト、もしくは K-1/K-1 Mark IIのあのぐるんぐるんする液晶のいずれかが良かったなとは思いました。K-70はバリアングル液晶ですが、毎回使うというほどではないものの、たまに使っていて便利でした。

とはいえ、HDMI端子もあるので、外付けモニタを購入するという一応の解決策はあるにはあるので、どうしても気になったら購入しようかなと考えています。

液晶自体は見やすく、また撮影時気にならないようになっていて、ファインダーに集中できるということとトレードオフかなとは思っています。

なお、液晶保護シートは、下記を購入しました。とても良い感じです。

AF速度がレンズによる、という点

上述の通り、PLM(パルスリニアモーター)搭載のレンズだと、無音・爆速なAFというPENTAXにしては珍しく、しかし他メーカーでは当たり前のAFが実現されます。

しかし、PLM搭載のレンズは、現在2つしかありません。その二つで、16-50mm と 55-300mmの画角をカバーするので、意外と十分かもしれませんが、16-50のPLM搭載レンズは、憧れの★スターレンズ(つのだ☆ひろみたいになってしまった)で、値段がお高く、大きく、重いのがちょっとアレです(PLM搭載レンズがすっかり気に入ったので、16-50★も買う予定ではいますが。)。

DCモーター搭載のレンズでも、ボディモーターAFに比べると、静粛性は十分で、一部を除いて自分の利用シーンでは速度も十分なのですが、一度PLMや他メーカーの早いAFに慣れてしまうと不満を覚えやすい気もします。他メーカーのユーザーを取り込む…ことにはPENTAXは注力しないのかもしれないですが、それ抜きでもユーザーとしては、どんどんPLM化してほしいところです。

とはいえ、レンズを電子化すればするほど故障しやすくなるという欠点があり、ボディ内モーターを利用するジーコジーコいううるさいAFのレンズの方が、構造が単純で故障しづらく確実に動く、という意味では信頼性が高いという意見もありそうです。結果、折衷案的に、故障しづらいDCモーターのレンズが増えていっている、ということでしょうか。

PLM搭載レンズは、新世代レンズとして、最新のレンズに搭載され始めているものです。これから先もどんどん採用していってほしいものですが、PENTAXの場合どうなるのか分からないところがつらいところです。

その他作例

まとめ

というわけで、PENTAX STATEMENT を体現した K-3 Mark III 、とても気に入っています。どんどん撮影して、いろいろ勉強したり、失敗して悔しかったり、意外な成功を楽しんだり、試行錯誤のお供のマシンとして愛用していきたいと思っています。

また、未だ持っていないPENTAXレンズも、これから購入して試していければ良いなと思っているので、その際にはまたエントリーを投稿できればと思っています。

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